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飲食店開業の完全ガイド|手続きの流れと押さえるべき注意点

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更新日:

2025/11/8

※本サイト記事は、プロモーションを含まれることがあります。

飲食店の開業を検討されている経営者の皆様にとって、「どのような流れで準備を進めればよいのか」「失敗しないためにはどんな注意点があるのか」は重要な関心事ではないでしょうか。

飲食店経営は多くの方の夢でありながら、開業後の廃業率が高い業界としても知られています。実際、適切な準備と計画なしに開業してしまうと、資金繰りの悪化や集客の失敗により、短期間で閉店を余儀なくされるケースも少なくありません。

本記事では、飲食店開業の全体的な流れから具体的な手続き、そして失敗を防ぐための注意点まで、実践的な内容を体系的に解説します。コンセプト設計から保健所への許可申請、資金調達の方法まで、開業を成功させるために押さえるべきポイントを明確にお伝えします。

これから飲食店を開業される方はもちろん、開業準備の途中で不安を感じている方にも、具体的なアクションプランとして活用いただける内容となっています。

飲食店開業の基本的な流れ【全体像を把握する】

飲食店を開業するには、複数のステップを計画的に進めることが重要です。ここでは開業までの基本的な流れを6つのステップに分けて解説します。

ステップ1:コンセプト設計と事業計画の策定

飲食店開業の第一歩は、明確なコンセプト設計です。「誰に(ターゲット)」「何を(メニュー)」「どのように(提供方法・店舗スタイル)」提供するのかを具体的に定めます

コンセプトが曖昧なまま開業すると、メニュー設計や内装デザイン、価格設定などあらゆる判断軸がぶれてしまいます。ターゲット顧客を明確にし、競合との差別化ポイントを打ち出すことで、一貫性のある店舗づくりが可能になります。

事業計画書では、売上予測・経費見積もり・損益分岐点などを数値化します。この段階で収益モデルの実現可能性を検証し、必要に応じて計画を修正することが大切です。

ステップ2:物件選定と立地戦略

コンセプトに合った物件探しは、開業成功の鍵を握ります。家賃の安さだけで判断せず、ターゲット顧客の動線や競合店の状況、周辺の人口動態などを総合的に分析しましょう。

物件選定では、店舗面積・客席数・厨房スペースのバランスも重要です。保健所の営業許可基準を満たせるか、必要な設備が設置可能かを事前に確認します。物件契約前に、必ず管轄の保健所へ図面を持参して事前相談を行うことをおすすめします。

また、居抜き物件を選ぶ場合は、既存設備の状態確認や前テナントの退去理由なども調査しておくと安心です。

ステップ3:資金調達と収支計画

開業資金は、物件取得費・内装工事費・設備購入費・運転資金などで構成されます。一般的な小規模飲食店でも、500万円〜1,000万円程度の初期投資が必要になることが多いでしょう。

自己資金だけで賄えない場合は、日本政策金融公庫の新創業融資制度や民間金融機関の融資を検討します。融資審査では事業計画書の完成度が重視されるため、売上根拠や返済計画を具体的に示すことが大切です。

開業後の運転資金として、最低3〜6ヶ月分の固定費を確保しておくことも重要なポイントです。

ステップ4:許認可取得と各種届出

飲食店営業には、保健所からの「飲食店営業許可」が必須です。申請から許可取得まで通常2〜3週間程度かかるため、内装工事の完成時期を考慮してスケジュールを組みます。

保健所への申請には、営業許可申請書・施設の平面図・食品衛生責任者の資格証明書・水質検査成績書(井戸水使用時)などが必要です。施設基準を満たしているかを確認する立入検査に合格すると、営業許可証が交付されます。

深夜0時以降に酒類を提供する場合は、警察署への「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」も必要になります。これは飲食営業許可を得てからの申請で、1週間以上かかりますので開業時期とのバランスを考えると良いです。

ステップ5:内装工事と設備導入

内装工事では、コンセプトを具現化しながら、保健所の施設基準を満たす設計が求められます。厨房の床・壁・天井の材質、手洗い設備の数と配置、換気設備の能力などが細かく規定されています。

設備導入では、ガス容量の確認も重要です。想定以上にガス引き込み工事が必要になり、多額の追加費用が発生するケースもあります。物件契約前にガス会社と相談し、必要な容量と工事費用を確認しておきましょう。

厨房機器・冷蔵庫・食器類などの備品購入も、この時期に計画的に進めます

ステップ6:採用・研修とオープン準備

スタッフの採用は、オープン日の1〜2ヶ月前から開始するのが一般的です。求人媒体の選定・面接・労働条件の提示を適切に行い、開業に向けて必要な人員を確保します。

採用後は、メニュー研修・オペレーション研修・接客マニュアルの共有などを通じて、開店時に一定のサービスレベルを実現できるよう準備します。プレオープンを実施して、オペレーションの課題を洗い出すことも効果的です。

集客準備として、SNSアカウントの開設・Googleビジネスプロフィールの登録・チラシ配布なども並行して進めます。

飲食店開業に必要な準備期間とスケジュール

飲食店開業の準備には、一般的に6ヶ月〜12ヶ月の期間が必要です。計画的なスケジュール管理が、スムーズな開業につながります。

開業12ヶ月前から始める準備項目

開業の1年前からは、市場調査とコンセプト設計に注力します。出店を検討するエリアの人口動態・競合店の状況・商圏分析などを実施し、事業としての成立性を検証します。

この時期に事業計画書の初稿を作成し、収支シミュレーションを行います。自己資金の準備状況を確認しながら、必要な融資額を算出することも重要です。この事業計画作成の時点で、利益を予測するために原価計算を含めたメニュー開発も行います。ただし、この時点では概算レベルで十分で、実際のメニューは1ヶ月前まで考え抜きます。

また、食品衛生責任者の資格取得も早めに済ませておくと、後の手続きがスムーズになります。各都道府県の食品衛生協会などが実施する講習を受講すれば、1日で取得可能です。

開業6ヶ月前までに完了すべきこと

開業6ヶ月前には、物件の本格的な探索と契約を進めます。複数の候補物件を比較検討し、立地条件・賃料・契約条件などを総合的に判断して決定します。

物件契約後は、管轄の保健所へ施設図面を持参して事前相談を行います。この段階で施設基準を満たすための設計変更が必要になることもあるため、内装業者との密な連携が欠かせません。

資金調達についても、この時期に金融機関への融資申し込みを完了させておくことをおすすめします。

開業3ヶ月前からの具体的なアクション

開業3ヶ月前からは、内装工事の開始・厨房機器の発注・スタッフ採用など、具体的な準備が本格化します。保健所への営業許可申請も、内装工事の完成時期を見据えて適切なタイミングで行います。

消防署への各種届出(防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届など)も忘れずに実施します。収容人員30名以上の店舗では、防火管理者の選任が義務付けられています

開業1ヶ月前には、税務署へ「個人事業の開業届出書」を提出し、青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」も併せて提出します。

またこの時にはスタッフの雇用に向けた採用活動も開始します。

開業前に押さえるべき重要な手続きと許可申請

飲食店開業には、複数の行政機関への手続きが必要です。ここでは特に重要な手続きを解説します。

保健所への飲食店営業許可申請の流れ

飲食店営業許可は、店舗所在地を管轄する保健所で申請します。2021年の食品衛生法改正により、許可業種の再編が行われ、従来の34業種から32業種に統合されました。

申請の流れは以下の通りです。まず内装工事前に図面を持参して事前相談を行い、施設基準に適合するか確認します。工事完了後、営業許可申請書・施設図面・食品衛生責任者の資格証明書などを提出し、申請手数料を納付します。

その後、保健所職員による立入検査が実施されます。検査では、手洗い設備の数と配置、給排水設備、換気設備、食器棚の構造などが確認されます。基準を満たしていれば、約2〜3週間で営業許可証が交付されます。

食品衛生責任者の資格取得

飲食店には、必ず1名以上の食品衛生責任者を配置する必要があります。調理師免許や栄養士免許を持っている場合は、講習を受けずに食品衛生責任者になれます。

資格がない場合は、各都道府県の食品衛生協会などが実施する講習を受講します。講習時間は約6時間で、費用は10,000円程度です。最近ではオンライン講習を実施している自治体もあり、スケジュールに合わせて選択できます。

食品衛生責任者は、施設の衛生管理や従業員の健康管理を担当する重要な役割を担います。

消防署への届出と防火管理者の選任

店舗の収容人員が30名以上の場合、防火管理者の選任が義務付けられています。防火管理者になるには、消防署や日本防火・防災協会が実施する講習を受講する必要があります。

消防署への主な届出としては、「防火管理者選任届」「防火対象設備使用開始届」「火気使用設備設置届」などがあります。これらの届出は、営業開始前に完了させる必要があります。

特にガスコンロなど火気を使用する設備を設置する場合は、所轄の消防署に事前相談しておくと安心です。

税務署への開業届と各種届出

個人事業主として飲食店を開業する場合、開業から1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署へ提出します。提出期限が土日祝日の場合は、翌営業日が期限となります。

青色申告を希望する場合は、開業日から2ヶ月以内または確定申告期限日のいずれか早い日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。青色申告にすることで、最大65万円の特別控除などの税制優遇を受けられます。

従業員を雇用する場合は、労働基準監督署への「労働保険関係成立届」、ハローワークへの「雇用保険適用事業所設置届」なども必要になります。

飲食店開業で失敗しないための5つの注意点

飲食店開業後の廃業を防ぐため、事前に押さえるべき重要な注意点を解説します。

注意点1:資金計画の甘さが経営破綻を招く

飲食店開業で最も多い失敗原因が、資金計画の甘さです。初期投資だけでなく、開業後の運転資金を十分に確保していないケースが目立ちます。

開業直後は想定通りの売上が立たないことが一般的です。固定費(賃料・人件費・光熱費など)は毎月発生するため、赤字期間を乗り切る資金余力が必要になります。最低でも3ヶ月分、できれば6ヶ月分の運転資金を確保しておきましょう。

また、原価率の見積もりが甘いと、想定以上に利益率が低下します。メニューごとの原価計算を綿密に行い、適切な価格設定を行うことが重要です。

注意点2:立地選定のミスマッチ

「家賃が安いから」という理由だけで物件を選ぶと、集客に苦戦する可能性が高まります。立地選定では、ターゲット顧客の動線・視認性・競合との距離などを総合的に判断します。

例えば、ランチ営業をメインにするなら、オフィス街や商業施設の近くが有利です。一方、ディナーや夜の営業が中心なら、繁華街や住宅地へのアクセスが良い立地が適しています。

物件契約前に、曜日や時間帯を変えて何度か現地を訪れ、人の流れを観察することをおすすめします。

注意点3:曖昧なコンセプト設計

「美味しい料理を出せば繁盛する」という考えだけでは、飲食店経営は成功しません。明確なコンセプトがないと、メニュー構成・価格帯・店舗デザイン・接客スタイルなどあらゆる判断軸がぶれてしまいます

コンセプト設計では、「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを具体的に言語化します。ターゲット顧客のペルソナを設定し、その人が「どんな場面で」「どんな理由で」来店するのかを想定することで、一貫性のある店舗づくりが可能になります。

競合店との差別化ポイントも明確にし、「なぜうちの店を選ぶべきか」を顧客に伝えられるようにしましょう。

注意点4:保健所基準を満たさない設備設計

内装工事を進めた後に、保健所の施設基準を満たしていないことが判明すると、多額の追加工事費用が発生します。これを防ぐには、工事着工前に管轄の保健所へ図面を持参して事前相談を行うことが不可欠です。

保健所の施設基準は自治体によって細部が異なることがあります。手洗い設備の数と配置、厨房の床・壁材質、排水設備の構造など、具体的な要件を事前に確認しましょう。

居抜き物件を利用する場合も、前テナントの営業形態と異なる場合は、設備の変更が必要になることがあります。

注意点5:集客戦略の不足

「良い料理を作れば口コミで広がる」と考え、集客施策を疎かにするケースも失敗パターンの一つです。開業直後から安定した集客を実現するには、事前のプロモーションと開業後の継続的な情報発信が重要です。

開業前にSNSアカウントを開設し、店舗の雰囲気やメニュー開発の様子などを発信して期待感を高めます。Googleビジネスプロフィールへの登録も、ローカル検索での露出を高めるために必須です。

開業後は、リピーター育成のための施策(ポイントカード・会員制度・SNSでのコミュニケーションなど)に注力します。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係構築が長期的な経営安定につながります。

開業資金の準備と資金調達のポイント

飲食店開業に必要な資金の全体像と、効果的な調達方法について解説します。

飲食店開業に必要な資金の内訳

飲食店開業に必要な資金は、大きく「初期投資」と「運転資金」に分けられます。初期投資には、物件取得費(保証金・礼金・前家賃)、内装工事費、厨房機器・設備費、什器・備品費などが含まれます。

小規模な飲食店でも、初期投資だけで500万円〜1,000万円程度が必要になることが一般的です。店舗規模や業態、立地条件によってはさらに高額になることもあります。

運転資金は、開業後の経費支払いに必要な資金です。賃料・人件費・食材費・光熱費などの固定費を最低3ヶ月分、可能であれば6ヶ月分は確保しておくことをおすすめします。

自己資金と借入のバランス

金融機関からの融資を受ける場合、自己資金比率が重要な審査ポイントになります。一般的には、総資金の30%以上の自己資金があることが望ましいとされています。

自己資金が少ない状態で多額の借入を行うと、返済負担が重く経営を圧迫する可能性があります。開業を急ぎすぎず、計画的に自己資金を貯めることも選択肢の一つです。

また、融資を受ける際は、複数の金融機関の条件を比較検討することも大切です。金利・返済期間・据置期間などの条件は機関によって異なります。多くの方は、後述の日本政策金融公庫で借りることになります。筆者が起業した際は、尼崎信用金庫の企画条件に当てはまったため金利が安い尼崎信用金庫から開業資金を借受しました。

日本政策金融公庫の新創業融資制度

飲食店開業の資金調達先として、日本政策金融公庫の新創業融資制度が広く利用されています。無担保・無保証人で最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで融資を受けられる制度です。

新創業融資制度を利用するには、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です(ただし、一定の要件を満たす場合は自己資金要件が緩和されます)。

融資審査では、事業計画書の完成度が重視されます。市場分析・収支計画・返済計画を具体的な数字で示し、事業の実現可能性を説明できるよう準備しましょう。日本政策金融公庫の各支店では創業相談を実施しているため、申込前に相談することをおすすめします。

参考:日本政策金融公庫 新創業融資制度 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

まとめ:計画的な準備が飲食店開業成功の鍵

飲食店開業の流れと注意点について、全体像から具体的な手続きまで解説してきました。ここで重要なポイントをまとめます。

飲食店開業には、コンセプト設計・事業計画策定・物件選定・資金調達・許認可取得・内装工事・スタッフ採用という複数のステップを計画的に進めることが重要です。一般的に6ヶ月〜12ヶ月の準備期間を想定し、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

保健所への飲食店営業許可申請は、内装工事前の事前相談が成功の鍵を握ります。施設基準を満たさない設計で工事を進めてしまうと、多額の追加費用が発生するリスクがあります。図面段階で管轄保健所に相談し、確実に許可が取れる設計を確認しましょう。

失敗を防ぐ最大のポイントは、十分な資金計画と運転資金の確保です。開業直後から想定通りの売上が立つことは稀であり、赤字期間を乗り切る資金余力が経営継続の生命線になります。

また、明確なコンセプト設計と適切な立地選定、開業前からの集客準備も欠かせません。「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを明確にし、ターゲット顧客に響く店舗づくりを目指しましょう。

飲食店開業は決して簡単な道のりではありませんが、計画的な準備と適切な判断を積み重ねることで、成功の可能性は大きく高まります。本記事が、あなたの飲食店開業の一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

藤田 泰仁

合同会社well co代表。全国の商工会議所などの公的機関で登壇もする事業戦略コンサルタント。店舗開業支援は無料から行っており、上場企業を含む30社以上と提携し総合支援を行う。また民間でも集客から現場まで幅広く月額1万円から経営支援を行う。

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