いろんな集客方法を試しても、上手くいかずに悩んでいる人からご相談を受けます。
優れた集客方法はたくさんありますし、大切なことです。ですが、それを成り立たせる為に必要な前知識はありますか?
算数が分からないのに数学が分かるはずもないので、まずは基本をおさらいしましょう。
集客は『魅力』×『伝え方』×『機会』
集客のことを考えると、「どうやって知られるか?」に注目される方が多いです。例えば「フォロワーを増やすには?」とか「いいねを増やすには?」とか「SEO対策(Google検索上位表示化)」とかですね。
ですが集客は総合力が大切です。

集客=【商品の自体の魅力】×【魅力を伝える力】×【知られる数】
もし集客問題があるなら、この3要素のどこに問題があるか?を冷静に考えると良いです。
最近の集客の基本は、『知られる機会』⇨『LP(ランディングページ)』が多いと思います。
なので『LP』を前提に、どこに問題があるか?判断する基準をお伝えします。
LP(ランディングページ)とは
縦長のホームページのことです。いろんなページを見ないといけない”サイト型”とは違い、1つのページに全ての情報が詰まっているページです。商品紹介でよく使われ、縦長なので”伝えたい順番で情報を届けられる”ので魅力を伝えることに向いています。
LPの指標としては、成約率(商品を購入した人数/ホームページを見た人数)があります。業界によって平均成約率(業界平均)がありますが、全体を通して3%が基準になるかと思います。
なのでもし、成約率が3%より低い場合は【商品自体の魅力】【魅力を伝える力】に問題がある可能性が高いです。逆にもし成約率が3%以上なのであれば、【知られる機会】を増やすことに注力されると良いです。
【商品自体の魅力】【魅力を伝える力】の違いの判断ですが、ここは難しいかと思います。実際に行うのは難しいですが、競合他社の商品を複数羅列して負けてなければ【魅力を伝える力】に問題があると言えます。

要素別、集客改善の具体的なお話
商品自体の魅力
既にある商品だと改善することが難しいと思われがちですが、できることは沢山あります。
むしろ大切な土台になるので、ここを大切に改善すると集客に効果が出てきます。
コンセプトの明確化▶︎ブランディング
ブランディングの目的の1つに差別化があります。類似商品がある場合は、『選ばれる理由』=差別化ポイントがなければ集客できなくなってしまいます。その為、コンセプトになる「誰に」「どんな価値を」「どんな風に提供する」を明確にしましょう。このコンセプトを前面に出すだけでも、商品自体の魅力は良くなります。
リブランディング
今の時点でコンセプトになる「誰に」「どんな価値を」「どんな風に提供する」を明確にしていても、見込み顧客にあまり刺さらない時は見直す必要があります。元々のブランディング方針から、違う方針にすることをリブランディングと言います。
高級モイスチャーティッシュ『鼻セレブ』は、名前を変えてデザインも変えるリブランディングの結果、売上が17倍に増えました。この様に着眼点やターゲットを変えるだけでも、集客が一気に加速することもあります。
魅力を伝える力

基本的には『コピーライティング』『セールスライティング』になります。ここの定義が書籍によって変わりますので、当社が基準にしている考え方で現せていただきます。
コピーライティング
“興味を持たせる””イメージを良くする”ことが目的になります。本人は気づいていない欲『潜在ニーズ』を駆り立てて、興味をもっていただく為のものです。集客ツールとしては、潜在ニーズにアプローチしやすいSNSが相性良いです。
セールスライティング
”欲しくなる”様にモチベーションをあげることが目的になります。先述のコピーライティングによって、興味を持たれている状態『顕在ニーズ』になった見込み顧客に「欲しい」と思われる様にする文章です。基本的には縦長のホームページである、ランディングページで本領を発揮します。
リードナーチャリング(教育)
リードナーチャリングは、マーケティング業界で『教育』と呼ばれるものになります。見込み顧客に対して、メルマガ・LINE公式アカウントなどで理解度を高めて「欲しい」と思われる様にします。先述のコピーライティング・セールスライティングの要素がありつつ、継続的に連絡し続けることが大切になります。
よくある手法にステップメールがあります。ステップメールは、メルマガ登録後自動的にメールを送る集客法です。
ステップメール
以下の流れなどの様に、段階的に理解度をあげます。
登録直後・・・感謝と特典配布
1日後・・・補足説明▶︎理解度を上げる
3日後・・・成功事例▶︎ベネフィットをイメージさせる
5日後・・・疑問解消▶︎断る理由を失くす
7日後・・・購入喚起▶︎購入へ背中を押す
知られる機会
この知られる機会は、”オフライン””オンライン”合わせると莫大な数があります。最近の傾向としては、webマーケティングが流行っています。簡単に分けるとこの様になります。

画像で出しているのも極一部になります。それだけ複雑化され、手段も大量にあるのが『知られる機会』です。
大きく分けると『自社集客』と『広告』に分かれます。『自社集客』はできる様になると、広告宣伝費を抑えることができます。『広告』は広告宣伝費は掛かりますが、早く楽に集客に繋げることができます。
これらの細かい一覧は、本記事の下の方でご紹介します。
この細かい話をするよりも先に、集客方法を選ぶ前に大切なことをお伝えします。
集客方法を先に考えると失敗する!?
集客に悩んでいる方によく聞かれるのが「どんな集客法が良いですか?」や「○○(ツール名)はどうしたら良いですか?」などのテクニック論が多いです。ですが実際に集客できない原因は、もっと根元にある”行動”や”考え方”にあります。

この画像は”アイスバーグモデル”と言うもので、ものごとの成果はどうできているかを図式化したものです。
『○○集客』は能力・スキルの部分になります。確かに結果が出るまでに近い要素なのですが、基盤になる部分が抜けていると結果には繋がらないです。この基盤と言うのが、「行動し続けられるか」になります。そしてその行動をする理由「モチベーションは強いか」です。この2つがないと、こんな集客失敗に繋がります。
SNS集客の失敗例
アルゴリズムやテクニック、根性論での運用を行うが辛くなって結果が出る前に止める。
SEO対策集客の失敗例
コンテンツSEO対策の執筆が、続けられなくて結果が出る前に止める。
すべての集客法に共通して
理念も想いも弱く、こだわることができず質が悪くなり結果が出ない。
『量より質』と言う言葉もありますが、”質”は勉強や経験の”量”で作られるものです。質も量も大前提が、量になります。
だから量がなければ結果が出ることはありません。
この行動し続ける為には、行動する理由であるモチベーションが必要になります。もし続けることができないなら、モチベーションの見直しかプロに集客を委託した方が良いです。
ここを念頭に置いた上で、集客方法を選んでください。そして選ぶ際のポイントとして、SNSなどの手間が掛かる『運用型集客法』は1つまでにしてください。SEO対策/MEO対策や広告運用などの手間が少ない『継続型集客』は増やしても良いです。続けることが大切ですので、ムリせず続けられる状態にしましょう。
集客方法の掛け合わせ方

見込み顧客の中でも、4つに分けることができます。
今すぐ客
商品に対するニーズがあり、購買欲求も高い、最もコンバージョンに近い見込み顧客
お悩み客
商品のニーズは顕在化しているが、価格が高い、緊急度が低いなどの理由で購買欲求が高まっていない見込み顧客
必要性の認識が伝わりきれていないので、セールスライティングで”今手にするべき理由”を伝える。
そのうち客
商品の購買意欲はあるが、実際のところ必要性はあまり感じていない見込み顧客
必要性が感じられていないので、セールスライティングで”ベネフィット(利益)”を伝える。
まだまだ客
商品を知ったばかりなどで購買欲求がなく、機能や特徴に関する知識もほとんどないため必要性を感じていない状態の見込み顧客。割合としては最も多く、見込み客全体の8割ほどにあたる
価値が全然伝わっていない状態のなので、『教育』をする為にメルマガなどを活用すると良い。
これらのタイプも理解して集客法を選ぶと良いです。基本の形として
①セールスライティングで作られたLP(ランディングページ)
②知られる機会作りとして【顕在ニーズ】【潜在ニーズ】で届かせるツール
③『教育』のために、メルマガかLINE公式アカウント
この3要素の集客法を掛け合わせて使うと良いです。
集客法一覧(オンライン)

SEO対策=Google検索対策
”顕在ニーズ”に届かせる手段として、最も優れているwebマーケティング手法になります。あなたも「○○ってどうしたら良いンアだろう?」「〇〇が欲しい」となった時に、GoogleやYahoo!で検索をするのではないですか?
なので”顕在ニーズ”に合う商品であれば、このSEO対策が最終的には費用対効果が最も良い集客法になります。
(SEO対策は検索された時に、上位表示させることを指します)
MEO対策=GoogleMAP対策
SEO対策と同じくGoogle検索対策になります。なので”顕在ニーズ”にアプローチすることに優れています。SEO対策との違いは、実店舗などの場所が関係するところを紹介する枠であることです。またSEO対策で表示されるエリアよりも上に表示されますので、SEO対策より難易度が低く効果も出しやすい特徴があります。
意外に知られていないですが、実店舗ビジネスだけでなく無店舗ビジネスでも効果を出すことができます。
リスティング広告
SEO対策・MEO対策に続き、Google検索に対してアプローチする手段です。リスティング広告は、”Googleに広告料を払うことで、検索画面に自社サイトを載せる”サービスになっています。SEO対策やMEO対策は、ハマってしまえば無料で集客し続ける魅力的な集客法です。
ですが逆に言えば、それだけ競合他社さんも対策してくるので難易度が高い集客法でもあります。
リスティング広告では、この結果が出るか分からない集客法をせずに広告費で確実に知られる機会を作ってくれます。
モール・クチコミサイト
ECサイトの場合は、『amazon』や『楽天市場』を指します。また実店舗では、クチコミサイトと呼ばれる『ホットペッパー』『イーパーク』『エキテン』『ぐるなび』などを指します。他の業界にも似た様なサービスがあります。
このクチコミサイトなどは、既に顧客リストを抱えている上にSEO対策で上位表示されていることがほとんどです。なので業種によっては依存している事業者さんも多い集客支援サービスとなっています。
依存性が生まれるほど影響力を持っている物ですので、広告費が高くなる傾向にあります。

SNS集客(自社運用)
SNSは何かを調べるために使うこともありますが、基本的には余暇に楽しむためのものです。なのでGoogle検索系とは逆に、”潜在ニーズ”に呼びかけることに向いています。つまり「今欲しい」と思っていない人に「今欲しいかも」と思わせることに向いています。SNSはそれぞれ特徴があり、業種や運用者の相性も考えて選ぶと良いです。
SNS一覧と特徴
- Facebook
▶︎実名で長文文化なので信頼を築きやすい。拡散性は弱い - Twitter
▶︎短文、気軽なコミュニケーション文化で細かい連絡ができる。拡散性は強い - Instagram
▶︎画像・動画ベースで、憧れ文化なので憧れ要素があるものに向いている。拡散性は弱め - YouTube
▶︎動画としてエンタメ、情報発信に向いている。拡散性は普通 - TikTok
▶︎縦長動画としてエンタメに向いている。拡散性は強い
他にもありますが、一般的に日本で活用されているSNSのみご紹介しました。
※ここで言う拡散性は、知らない人に届く可能性の意味として表記
SNSは最初から上手くいくケースも稀にありますが、ほとんどの場合は大量の時間を投資しないといけません。発信を続けていきながら、データ分析をして改善し続けてやっと集客に繋がることになります。
なのでSNSを自社集客の手段として選ばれる場合は、続けられる体制を整えることが先決になります。
SNS広告
リスティング広告と同じ考えになりますが、フォロワーが少なくても多くの人にSNSで知られる機会を作るのがSNS広告です。よく見かけるものとして、『Facebook広告』『Instagram広告』『Twitter広告』『YouTube広告』そして最近活性化されてきた『TikTok広告』などがあります。
運用の仕方にもよりますが、この広告単体で集客をする訳ではありません。広告を出す副産物として、フォロワーがある程度は増えることになります。このフォロワーに対して継続的にアプローチすることで、後から集客に繋げることも視野に入れていると良いです。
SNSでの自社集客を目指すにしても、最初の加速装置としてSNS広告を使うのも1つの手になります。
SNS集客(インフルエンサーマーケティング)
SNS広告に近いものではありますが、既にフォロワーを多く抱えている人に商品の紹介投稿をしてもらうことをインフルエンサーマーケティングと言います。SNS広告と同じく、SNSで自社集客する加速装置としても機能します。
よくこのインフルエンサーマーケティングは、お金がかかると思われがちですが無料でもできます。無料体験などを報酬として、SNS投稿をしてもらうだけでも効果は出せます。実際に1人のインフルエンサーに無料体験を提供したところ、53名の集客に成功した整骨院が知人にいます。
ただ注意点として、インフルエンサーはプロではありません。トラブルを発生させやすい集客法でもありますので、知識をつけてから実施する様にしましょう。
SNS集客(UGC)
インフルエンサーマーケティングは、こちらから依頼して無料提供か広告費を払う集客法です。このUGC活用は純粋に商品を購入された方に、SNS上で紹介していただく集客法です。分かりやすいのが昔流行った『インスタバエ』です。
思わずSNSに投稿したくなる商品、環境を整えることでUGC(顧客が作った投稿)を促進します。
最近は情報が乱立しており、ブランド力のある企業以外の言葉に説得力がなくなってきました。そこでこのUGCになるのですが、友人がSNSでおすすめしてたら安心しますよね?この他薦による商品価値の保証と、知られる機会作りの効果を出すことができる優れた集客法になります。

メールマガジン
継続的に情報をお届けるすることはとても大切なことです。メールなどで定期的に連絡するメールマガジンにはこんな効果があります。
メルマガの集客効果
- LPだけでは伝わらなかった価値を追加で伝えられる
- 単純接触効果で信頼関係を築くことができる
- 最初はタイミングが合わなくても、数ヶ月後にタイミングが来た時にアプローチできる
後述のLINE公式アカウントでも同じ効果が期待できます。メルマガは配信数を大量にしても、料金的な負担が少なくて済むことがLINE公式アカウントとの違いです。
LINE公式アカウント
基本的にはメルマガと同じ集客効果になります。ただこのLINEにはメルマガと違うこんな効果もあります。
LINE公式アカウントの良さ
- 画面や使用感がラフで親しみやすく、見込み顧客が使いやすい
- 自動迷惑メール判定がないので、メールと違い確実に届く
- リッチメニューなどで、機能を追加することができる
ただメルマガと違い、配信数の制限が厳しいです。またラフ過ぎるので、法人相手のビジネス(BtoB)ではあまり良い印象を持たれないデメリットもあります。
記事広告
このメディアもそうですが、ネットには様々なテーマのネットメディアがあります。このメディアに記事を寄稿することで、自社サービスの魅力を広く伝える集客法が記事広告です。実店舗であれば地元メディア、基本的には業界メディアに対して依頼する形になります。
SEO対策の被リンクにも繋がりますので、相乗効果を期待して行うのもありだと思います。
プレスリリース
記事広告は記事を寄稿したり、有料で紹介していただくサービスです。一方でこのプレスリリースは、メディアにネタ提供をすることで記事にしてもらえる様にお願いするものです。なので確実に効果がある訳ではありませんが、広報手段として優れているものになります。

集客法一覧(オフライン)
チラシポスティング
「もう効果がない」と言われがちですが、まだまだ効果があります。特に高齢者向けの商品であれば、チラシを暇つぶしも込めて読んでいる人が居るので集客効果が出ます。高齢者向けでなくても、存在を知っていただく機会にはなりますので長期視点で集客に効果が出たりもします。
ダイレクトメール
住所がわかる人には、直接ハガキや封筒を送ることもできます。この直接紙媒体をお送りするのがダイレクトメールです。こちらもチラシと同様に、見られる機会がまだあります。またチラシとは違い、住所とお名前を指定している分読まれやすくもなります。
新規集客の為の方法というよりは、既存集客の方法として優れたものだと思います。
勉強会集客法/イベント集客
住宅展示場などで、いろんなイベントをしているものを見たことありませんか?内覧用の住宅で行われるヨガや習い事のワークショップなどです。これらはワークショップに集客するのが目的ではなく、このワークショップをネタに住宅購入されるかも知れない見込み顧客を集めることが目的です。この様に見込み顧客を集めるために、同じターゲット層にアピローチするイベントやセミナーを行うことを勉強会集客法などと言われます。
看板・路面集客
一昔前までは主力の集客方法でした。お店の看板や店頭に置くA看板などを利用した路面集客です。そこを通る人たちに対して、何回も何回も存在を知らせることができます。この路面集客ができる場所は、基本的に集客力に比例して家賃が高くなります。「路面集客は広告費がかからない」と思われがちですが、ある意味では毎月の家賃に広告費が上乗せられています。
リファラル(口コミ集客)
純粋なクチコミによる集客をリファラルと言います。友達と話している時に、良いお店やサービスを口頭や電話やLINEで伝えることがあると思います。これらのことを指します。
僕個人の考えですが、世界で最も成功した事業は”キリスト教”だと思っています。このキリスト教もですが、今あるサービスの源流もクチコミマーケティングから結果を出しています。
原点にして頂点の集客法がリファラルマーケティングです。
リファラルマーケティングをうたう団体も見られますが、これらの場合は暗黙知も含めてノルマがありリファラルに慣れていない人の練習場所としては向いているかと思います。

集客についてのまとめ
集客=【商品の自体の魅力】×【魅力を伝える力】×【知られる数】なので、1つのことに集中するのではなく全体的に対策を打っていきましょう。その上で結果が出るまで継続することができる集客法を選びましょう。
最低限行っておくと良いのは、【LPなどの商品の魅力を伝えられるもの】【顧客・見込み顧客と連絡が取れるもの】【知られる機会になるもの】です。
各事業者別のおすすめ集客ツールの組み合わせも、どんどん記事にしますので少しお待ちください。