文責:藤田 泰仁
予約が増えないランディングページの多くは、広告やSNSで来た人の「知りたいこと」に答えきれていません。戦略として先に「誰が、どこから、何を期待して来るか」を決め、予約ボタン→最初の画面→不安を消す情報→表示速度→口コミと表示ルールの順に直すと、広告費を増やす前に打てる手がはっきりします。
予約が増えないランディングページの共通点は「来た人の期待とページの中身のずれ」
広告やSNSから人は来ているのに予約が増えないとき、原因は集客の量よりもランディングページ(広告などをタップした人が最初に着地する1枚のページ)にあることがよくあります。共通しているのは、来た人が期待していた内容と、ページに書かれている内容がずれていることです。Googleも広告ヘルプで、広告とランディングページのメッセージを一致させること、モバイルでの使いやすさ、読み込み速度を改善のポイントに挙げています。直す順番は、予約ボタン、最初の画面、不安を消す情報、表示速度、口コミと表示ルールの5か所。予約に近い場所から直すと、少ない手間で変化を確かめやすくなります。
合同会社well coの藤田です。小さな店の経営者さんとお話ししていると、「広告を出したら見に来る人は増えた。でも予約は増えていない」という声をよく聞きます。そんなとき、広告費を増やす前にランディングページを見直すだけで、打つ手がはっきりすることは少なくありません。この記事では、飲食店やサロン、整体院のような小さな店が、自分でランディングページを点検して直すための戦略と順番をまとめます。
ランディングページの戦略とは?まず「誰が・どこから・何を期待して来るか」を決める
ランディングページの戦略とは、デザインを整えることではありません。「どんな人が、どの広告や投稿から、何を期待して来るのか」を先に決め、その期待に1枚のページで答える設計をすることです。ここが決まっていないと、どこを直しても効果が読めません。
Google広告の検索キャンペーンの品質スコアについてでは、品質を決める要素のひとつ「ランディング ページの利便性」を、ランディングページが広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるか、と説明しています。つまり、良いページかどうかは「来た人にとって」で決まります。
書き出すのは、次の3つだけで十分です。
- 誰が来るか:例「会社帰りに肩こりをほぐしたい30〜40代の会社員」
- どこから来るか:例「Instagramの広告」「Googleの検索広告」「Googleマップ」
- 何を期待して来るか:例「初回の料金と、今週空いている時間が知りたい」
入口が複数ある場合は、いちばん人数が多い入口から考えます。Instagramから来る人と検索から来る人では、知りたいことの順番が違うこともあるからです。
予約が増えないランディングページに共通する5つの詰まり
現場でよく見かける詰まりは、だいたい次の5つに分けられます。自分のページを開きながら、当てはまるものに印をつけてみてください。
| 直す場所 | よくある詰まり | 来た人の頭の中 |
|---|---|---|
| 1. 予約ボタン | ボタンがページの一番下にしかない/押すと別のページで迷う | 予約したいのに、どこから? |
| 2. 最初の画面 | 広告で見た内容(初回価格・メニュー)が最初の画面にない | あれ、さっきの広告のページ? |
| 3. 不安を消す情報 | 料金・所要時間・場所・支払い方法・キャンセルの決まりが見当たらない | 結局いくら?行きやすい? |
| 4. 表示速度 | スマートフォンで開くと、画像が重くてなかなか表示されない | 遅いな、もういいか |
| 5. 口コミと表示ルール | お客様の声がない/根拠のない「地域No.1」など誇大に見える表現がある | 本当に大丈夫かな? |
表の番号は、そのまま直す順番です。予約に近い場所ほど、直したときの変化が数字に出やすいからです。
どの順で直す?予約に近い場所から5か所を点検する
1. 予約ボタン:迷わず押せて、押した先で迷わないか
最初に見るのは出口です。スマートフォンで自分のページを開き、実際に予約まで進んでみます。ボタンが最初の画面と途中、最後の3か所くらいにあるか。押した先の予約画面で、メニューや日時を選ぶ手順が多すぎないか。電話番号がタップでかけられるか。作った本人ほど気づきにくいので、家族や知人に「予約してみて」と頼むのもおすすめです。
予約の手段は、来る人に合わせて選べるようにすると親切です。予約システム、電話、LINEなど、少なくとも2つあると「この方法だけは苦手」という人を逃しにくくなります。
2. 最初の画面:広告で見た言葉と同じことが書いてあるか
次に、ページを開いて最初に見える範囲(ファーストビューと呼びます)を確かめます。Googleの品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法では、広告の特典や行動を促すフレーズにページの内容が対応している必要がある、としています。たとえば広告で「初回60分◯円」とうたったなら、最初の画面にも同じ言葉を置きます。
同じページでは、検索語句と完全に同じ文言を入れる必要はなく、ユーザーの目的に合った体験を届けることが大事だとも書かれています。言葉をそろえるのは目的ではなく、「ここで合っている」と安心してもらうための手段です。
3. 不安を消す情報:予約の前に知りたいことが全部あるか
小さな店の予約で、お客様が気にすることはだいたい決まっています。次の項目がページの中で見つかるか確かめましょう。
- 料金:初回の料金、追加でかかる費用の有無
- 時間:所要時間、営業時間、空きのある曜日や時間帯
- 場所:最寄り駅からの道のり、駐車場の有無、地図
- 当日の流れ:来店してから帰るまで何をするか
- 決まりごと:支払い方法、キャンセルや変更の扱い
- 人:誰が対応するか、店の雰囲気が分かる写真
よくある質問を予約ボタンの近くにまとめるのも有効です。電話で何度も聞かれる質問があれば、それがそのままページに足りない情報です。
4. 表示速度:スマートフォンですぐ表示されるか
広告やSNSから来る人の多くはスマートフォンです。先ほどのGoogle広告ヘルプでも、モバイル対応と読み込み速度の改善が挙げられており、表示速度は購入するか離脱するかに影響することがある、と書かれています。
速さは、Googleの無料ツールPageSpeed InsightsでページのURLを入れると確かめられます。目安になるのが、Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル・ページの使い心地を表すGoogleの指標)です。
| 指標 | 何を表すか | 「良好」の目安 |
|---|---|---|
| LCP | メインの画像や文章が表示されるまでの時間 | 2.5秒以下 |
| INP | ボタンを押してから画面が反応するまでの時間 | 0.2秒以下 |
| CLS | 表示中にレイアウトがずれる度合い | 0.1以下 |
小さな店のページで多い原因は、写真のサイズが大きすぎることです。スマートフォンで見る大きさに合わせて写真を縮めるだけでも、改善することがあります。
5. 口コミと表示ルール:信頼できる材料があり、言い過ぎていないか
最後は信頼の材料です。お客様の声や店の考え方、施術者や料理人の経歴は、初めての人の背中を押します。ただし、書き方には法律のルールがあります。
消費者庁の表示規制の概要によると、景品表示法では、品質を実際より著しく優れていると思わせる表示(優良誤認表示)や、価格などの条件を実際より著しく有利だと思わせる表示(有利誤認表示)が禁止されています。根拠のない「No.1」や「必ず効果が出る」といった表現は避けましょう。
また、消費者庁のステルスマーケティングに関するページのとおり、2023年10月1日から、広告であることを隠す表示(ステルスマーケティング)は景品表示法違反になりました。お店が依頼して書いてもらった感想を載せるときは、依頼したものだと分かるようにしておくと安心です。
直した効果はどう確かめる?予約までの数字を3つ見る
直したら、変化を数字で確かめます。一度に全部直すと何が効いたか分からなくなるので、1か所直したら2〜4週間ほど様子を見るのがおすすめです。
- ページを見に来た人数:広告やSNSの管理画面、またはGoogleアナリティクスで確認
- 予約ボタンが押された回数:予約画面へ進んだ人の数
- 実際の予約数:予約システムの記録や台帳で確認
Googleアナリティクス(GA4・ホームページの訪問者を分析する無料ツール)を使うなら、予約ボタンのクリックや予約完了を「キーイベント」として記録しておくと便利です。Googleのキーイベントについてでは、キーイベントをビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測るもの、と説明しています。見に来る人は多いのにボタンが押されないなら最初の画面や不安を消す情報、ボタンは押されるのに予約が完了しないなら予約画面の手順を疑います。
自分で直すときにつまずきやすいところ
ここまでの点検は、経営者が自分で始められます。ただ、実際にやってみると次のようなところでつまずきやすくなります。
- 詰まりがいくつも見つかり、どれから直すか決められない
- ページを直しても変わらず、原因がメニューや価格、狙うお客様の設定にあるのか判断がつかない
- 本業が忙しく、直して数字を見る作業を続けられない
特に2つ目は、ランディングページの問題に見えて、実は「誰に、何を、いくらで売るか」という商品や事業の組み立てに原因があることも少なくありません。そうした場合は、ページだけでなく、集客の入口から商品の中身まで含めて見直すほうが近道になります。
まとめ
予約が増えないランディングページの共通点は、来た人の期待とページの中身のずれです。戦略として「誰が・どこから・何を期待して来るか」を先に決め、予約ボタン、最初の画面、不安を消す情報、表示速度、口コミと表示ルールの順に直していきます。1か所ずつ直して数字を見れば、広告費を増やす前にできることが見えてきます。
とはいえ、どこから直すかの優先順位を決め、原因が集客にあるのか商品や事業の組み立てにあるのかを見極めながら続けるのは、一人では難しい部分もあります。当社の事業戦略顧問では、ランディングページを含む集客だけでなく、商品設計や業務改善もあわせて、経営者と一緒に優先順位を整理し、実行まで伴走しています。自分の店の詰まりを一度整理してみたいと感じた方は、気軽にご相談ください。
よくある質問
- ランディングページとホームページは何が違うのですか?
- ホームページは店の情報を幅広く載せる入口です。ランディングページは、広告や投稿から来た人に向けて、ひとつのメニューや目的(予約など)に絞って作る1枚のページです。専用のページがない場合は、ホームページのメニュー紹介ページがランディングページの役目を果たしていることもあります。
- 広告ごとにランディングページを作り分けるべきですか?
- 最初から作り分ける必要はありません。まずは一番人が来る入口に合わせて1枚を整えます。入口によって知りたいことが大きく違うと分かってから、作り分けを考えるとよいでしょう。
- アクセスが少なく、数字で判断できません。
- 数字が少ないうちは、知人に予約まで試してもらう、来店したお客様に「何を見て決めたか」「迷ったところはあったか」を聞く、といった方法が役立ちます。数字と声を合わせて判断しましょう。
- お客様の声は載せたほうがよいですか?
- 初めての人の判断材料になるので、載せられるなら載せる価値があります。ただし、内容を誇張しないこと、店が依頼して書いてもらったものは分かるようにすることなど、景品表示法のルールに沿って載せましょう。
出典:Google 広告 ヘルプ「検索キャンペーンの品質スコアについて」/Google 広告 ヘルプ「品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法」/PageSpeed Insights について/アナリティクス ヘルプ「キーイベントについて」/消費者庁「表示規制の概要」/消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
