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西宮市で店舗を開業するなら|商店街の出店補助と県の起業支援の比べ方

2026.11.04・起業

文責:藤田 泰仁

西宮市で店舗を開業するなら、商店街の空き店舗に出すときは市の「商店街新規出店応援事業」(県と併用で最大100万円)、場所を問わず事業計画で審査を受けるなら県の「起業家支援事業」(経費の1/2・上限100万円)が比べる軸になります。どちらも交付決定より前に工事や契約を始めると対象外になるため、物件探しの段階で募集時期と手続きの順番を確かめることが大切です。

西宮市で店舗を開業するときの補助金は「市の商店街出店補助」と「県の起業支援」の2つを比べる

西宮市で店舗を開業するときにまず比べたい補助金は、市の「商店街新規出店応援事業」と、兵庫県の「起業家支援事業」の2つです。市の制度は商店街の空き店舗への出店が対象で、内装工事費などの1/6を補助し、上限は市単独で50万円、県と併用すると合計100万円です([西宮市](https://www.nishi.or.jp/jigyoshajoho/sangyoshinko/shotengai/shogyoakinmise.html)、2026年10月15日更新)。県の制度は場所を問わず、ビジネスプランを審査して経費の1/2以内・上限100万円を助成します。令和8年度の受付は2026年6月22日で終了しました([ひょうご産業活性化センター](https://web.hyogo-iic.ne.jp/shinjigyo/kigyoka)、2026年11月4日確認)。

補足すると、市の制度で県と併用する場合は、ひょうご産業活性化センターの「商店街新規出店チャレンジ応援事業」にもあわせて申請し、市50万円・県50万円の合計100万円が上限になります。県の起業家支援事業(一般事業枠)は、空き家を活用する場合に上限が最大200万円まで広がります。

「西宮市の開業の補助金」と検索すると、市の制度・県の制度・商工会議所の制度が混ざって出てきて、どれが自分に当てはまるのか分かりにくいと思います。この記事では、店舗を構えて開業する人に向けて、上の2つの制度を「どこに出すか」「何に使えるか」「いつ申請するか」の3点で比べます。金額や条件は2026年11月4日時点で公式ページから確認したものです。申請前には必ず最新の募集ページを見てください。

商店街の出店補助と県の起業支援は、何が違う?

違いは大きく3点です。①対象になる場所(商店街の空き店舗に限るか、県内ならどこでもよいか)、②補助率と使える経費(工事費の1/6か、起業経費の1/2か)、③申請のタイミングと審査のしかた(予算がなくなるまで随時受付か、年1回の募集で審査委員会が選ぶか)です。

比べる点西宮市「商店街新規出店応援事業」(+県の併用)兵庫県「起業家支援事業(一般事業枠)」
実施するところ西宮市(併用する場合は、ひょうご産業活性化センターの「商店街新規出店チャレンジ応援事業」)ひょうご産業活性化センター(兵庫県の外郭団体)
対象になる場所市内で活動している商店街の空き店舗(前の事業者が撤退し、テナントを募集している物件)兵庫県内に活動拠点を置いて起業・第二創業する場合(場所は商店街に限らない)
対象になる経費内装工事費、給排水衛生工事費、電気工事費、配管工事費、ファサード整備費(県の併用分は店舗賃借料も対象)起業に要する経費、空き家活用に要する経費(1件あたり税抜50万円未満のもの)
補助率市・県それぞれ対象経費の1/6対象経費の1/2以内
上限額市単独50万円/市県併用で合計100万円100万円(空き家を活用する場合は合計200万円)
受付のしかた書類がそろった順に随時受付。予算がなくなりしだい終了年1回の募集(令和8年度は2026年4月17日〜6月22日。受付終了)
選ばれ方要件を満たしているかの確認が中心審査委員会がビジネスプランを審査して選ぶ
開業後の条件商店街の会員になり活動に参加する。西宮商工会議所による計画のブラッシュアップと開業後の伴走支援を受ける応募前に商工会・商工会議所またはよろず支援拠点で事前相談を行う

出典:西宮市「令和8年度 商店街新規出店応援事業」/ひょうご産業活性化センター「商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金」/同「起業家支援事業(一般事業枠)」(いずれも2026年11月4日確認)

ざっくり言うと、商店街に出店すると決めている人は市の制度を、商店街以外の物件も含めて考えている人や、事業計画をしっかり作って大きめの補助を狙いたい人は県の起業家支援事業を、それぞれ軸に考えると整理しやすくなります。

自分はどちらを先に検討すればいい?

先に決めるべきなのは補助金ではなく「どこに出店するか」と「いつ開業したいか」です。この2つが決まると、使える制度はほぼ自動的に絞れます。次の3つの問いに順に答えてみてください。

  1. 出店したい物件は、西宮市内の商店街の空き店舗か? → はいなら、市の商店街新規出店応援事業が候補になる
  2. その年度の3月31日までに、工事費の支払い・営業許可の取得・開業まで終えられるか? → 難しければ、次の年度の募集を待つ選択肢もある
  3. 県の起業家支援事業の募集期間(令和8年度は4月〜6月)に、事業計画を出せる時期か? → 起業の時期の条件(令和8年度は2025年4月1日〜2027年1月末に起業)に当てはまるかも確認する

現場でよくあるのは、先に良い物件を見つけて内装業者と話を進めてしまい、そのあとで補助金の存在を知るケースです。どちらの制度も、交付決定の前に工事の契約や支払いをすると対象外になります。物件探しを始めた時点で、補助金の条件も一緒に調べておくのが安全です。

西宮市の「商店街新規出店応援事業」はどんな人が使える?

市内で活動している商店街の空き店舗に、飲食店・小売店・サービス店を出す人が使える制度です。西宮市のページでは、対象になる商店街は市内37商店街とされ、要件は10項目すべてを満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。

  • イベントや共同販促などの活動をしている市内商店街の空き店舗に出店する
  • 不特定多数のお客様を相手に営業する(信用保証協会の保証対象業種であること)
  • フランチャイズチェーン店ではない
  • 空き店舗の持ち主本人や、持ち主と同じ生計・親族などの関係にない
  • 交付決定まで工事に着手(契約・支払いなど)しない
  • 申請した年度の3月31日までに、支払い・必要な許可の取得・開業を終える
  • 開店後は商店街の会員になり、商店街の活動に参加する
  • 西宮商工会議所に、事業計画のブラッシュアップと開業後の伴走型支援を依頼して実施する

伴走型支援とは、計画を立てて終わりではなく、開業したあとも専門家が定期的に状況を聞き、一緒に改善を続けていく支援のことです。また、事務所・医療や福祉の施設・士業・無店舗の小売・無人の店舗・スナックや立ち飲み屋・娯楽業・場所貸しの事業は対象外とされています(事業内容によって市単独の申請はできる場合あり)。なお、市は物件の紹介をしていないため、空き店舗は自分で探します。

商店街の出店補助で使える経費・使えない経費

対象は店舗の工事にかかる費用で、内装工事費、給排水衛生工事費、電気工事費、配管工事費、ファサード整備費です。ファサードとは、看板や入口まわりなど、通りから見える店の正面の外装のことです。一方、賃料、什器(棚やテーブルなど)、エアコン、高額な照明器具の購入・設置費、消費税は対象外です。見積書をもらうときは、工事費と設備・備品の費用を分けて書いてもらうと、対象経費が計算しやすくなります。

市単独申請と県との併用申請は、どう違う?

県と併用すると上限が50万円から合計100万円に増えますが、交付決定まで時間がかかります。併用申請では、市の制度に加えて、ひょうご産業活性化センターの「商店街新規出店チャレンジ応援事業」にも申請します。補助率は市・県それぞれ1/6なので、併用すると対象経費の1/3が補助される計算です。対象経費が300万円以上なら、市・県とも上限の50万円になります。

比べる点市単独申請市と県の併用申請
補助率1/6市1/6+県1/6(合計1/3)
上限額50万円市50万円+県50万円(合計100万円)
対象経費が300万円のとき50万円100万円
交付決定までの目安公式ページに目安の記載なし2か月前後かかる場合あり(西宮市のページより)
市外から市内への移店申請できる申請できない

県の制度のページでは、県の補助は最大75万円としつつ、市町の補助額が上限になると書かれています。西宮市の場合は市の上限が50万円なので、併用時の県の補助も50万円までになります。また県の補助は精算払い(工事や支払いを終えて報告したあとに支払われる方式)で、支払いは事業完了後の翌年度5月ごろとされています(ひょうご産業活性化センター「商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金」、2026年11月4日確認)。

兵庫県の「起業家支援事業」はどんな人が使える?

兵庫県内で新しく起業する人や第二創業をする人が、ビジネスプランを出して審査を受ける助成金です。第二創業とは、すでに事業をしている人が、今とは違う業種の新しい事業を始めることを指します。令和8年度の一般事業枠の主な条件は次のとおりです(ひょうご産業活性化センター「起業家支援事業(一般事業枠)」、2026年11月4日確認)。

  • 兵庫県内に住んでいる、または2027年1月末までに住む予定である
  • 2025年4月1日から2027年1月末までに、県内に活動拠点を置いて起業・第二創業した、またはする予定である
  • 過去に起業家支援事業など同じ種類の助成金を受けていない
  • 応募前に、商工会・商工会議所またはよろず支援拠点で事前相談をする
  • 助成対象経費の1/2以内、上限100万円(空き家を活用する場合は、空き家活用の経費100万円以内を加えて合計200万円以内)
  • 1件あたり税抜50万円未満の経費が対象

一般事業枠のほかに、UJIターンや事業承継を対象にした「ふるさと・事業承継枠」、30歳以下の人がデジタル技術を使って起業する「若者枠」、地域の課題解決に取り組む「社会的事業枠」もあります(兵庫県 記者発表資料 2026年4月17日)。令和8年度の募集は2026年4月17日〜6月22日で、すでに受付を終えています。次の募集時期や条件は、ひょうご産業活性化センターの助成金案内ページで確認してください。

この制度は審査委員会がビジネスプランを選ぶ方式なので、申請書の中身がそのまま結果に関わります。お客様は誰か、なぜその場所で開くのか、売上と資金の見通しはどうか、を筋道立てて書けるかがポイントです。計画書の組み立て方は、新事業の創業計画書の書き方|小規模事業者が動機から資金計画まで整理で順を追って解説しています。

商店街の出店補助と県の起業家支援事業は、併用できる?

併用できるかどうかは、公式ページでは確認できませんでした。そのため、2つの制度を同じ店舗の開業に使いたい場合は、申請前に西宮市商工課と、ひょうご産業活性化センターの両方に確認するのが確実です。少なくとも、同じ工事費に2つの補助金を重ねて受け取れるとは考えず、「どの経費をどちらの制度に入れるのか」を分けて見積もっておくと、相談がスムーズに進みます。

店舗開業の補助金で失敗しやすいのはどんな場面?

いちばん多いのは、手続きの順番を間違えて対象外になることです。最初の対策は、物件の申し込みや工事の見積もりを取る時点で、補助金の申請予定を不動産会社・工事業者にも伝えておくことです。よくある場面と対策を表にまとめました。

起きやすいこと何が起きるか最初の対策
交付決定の前に工事の契約・支払いをしたその工事費は補助の対象外になる交付決定の通知が届いてから工事業者と契約する
3月31日までに開業できなかった市の制度の要件(年度内の支払い・許可取得・開業)を満たせない工事期間と営業許可の取得にかかる日数を、申請前に逆算する
補助金が入る前提で資金を組んだ工事費をいったん全額払えず、開業が遅れる補助金は後払いと考え、自己資金か融資で全額を用意する
対象外の経費を見積もりに混ぜた補助額が思ったより少なくなる工事費と什器・エアコンなどを分けた見積書をもらう
予算がなくなって受付が終わった期限の前でも申請できなくなる物件が決まったら早めに書類をそろえて申請する

特に資金の準備は見落としやすい点です。補助金は後から入るお金なので、開業時の支払いは融資や自己資金で用意することになります。融資と補助金の役割の違いは、開業1〜3年目の資金調達|創業融資と補助金の違いと使い分け方で詳しく整理しています。

商店街の空き店舗で開業するまでの手順は?

市の商店街新規出店応援事業を使う場合、全体の流れは次の6段階です。西宮市のページにある流れをもとに、開業準備の作業もあわせて並べました。

  1. 申請者要件確認シートで、10項目の要件を満たすか確かめる
  2. 市内の商店街の空き店舗を自分で探し、商店街から同意をもらう
  3. 工事の見積もりを取り、事業計画書・収支予算書などをそろえる
  4. 市(併用なら県にも)へ交付申請し、交付決定を待つ
  5. 交付決定のあとで工事を契約・着手し、営業許可を取る
  6. 3月31日までに支払いと開業を終え、商店街の会員として活動を始める

飲食店や美容室のように保健所の許可や届出が必要な業種は、工事の前に図面で相談しておくと、手戻りを防げます。美容室を例にした手順は、美容室の開業で保健所に行く時期は?工事前の相談から届出までの順番で紹介しています。

時期にも注意が必要です。この記事を書いている2026年11月の時点で県との併用申請をすると、交付決定まで2か月前後かかる場合があるため、工事・許可・開業を3月末までの短い期間で終えることになります。工事の規模が大きい場合は、市単独で申請するか、次の年度の募集を待つかも含めて、窓口に相談しながら決めるのが現実的です。

補助金を選ぶ前に、開業の計画で決めておきたいことは?

補助金の額より先に、「誰に、何を、いくらで売り、月にどれだけ売上が必要か」を決めておくことが大切です。補助金は工事費の一部を助けてくれますが、開業後の集客や資金繰りまでは支えてくれません。現場でも、補助金が取れたことで安心してしまい、開業後の集客の準備が後回しになるケースはよくあります。

  • お客様像:その商店街を通る人や近くに住む人と、自分の店のお客様は重なるか
  • 売上の見通し:席数や客単価から、毎月必要な売上に届く計算になっているか
  • 集客の入り口:開業前からGoogleマップ・SNS・チラシなどで知ってもらう準備ができているか

開業後にホームページを作る・直すときは、西宮商工会議所の制度も使える場合があります。条件は西宮市のホームページ補助金【2026年度】対象・上限額・申請の注意点にまとめています。

まとめ:補助金は「どこで・いつ開くか」で選び、計画とセットで考える

西宮市の商店街の空き店舗で開業するなら、市の「商店街新規出店応援事業」が基本です。工事費の1/6、市単独で上限50万円、県と併用すれば最大100万円になります。商店街に限らず県内で起業し、ビジネスプランで審査を受けるなら、県の「起業家支援事業」(経費の1/2・上限100万円)が候補です。どちらも交付決定の前に工事を始めないこと、補助金は後払いであることを前提に、物件探しの段階から手順を組み立てましょう。

ただ、出店場所・開業時期・資金・集客の準備は互いにつながっていて、一人で全部の順番を決めるのは簡単ではありません。当社の事業戦略顧問では、補助金や融資の検討も含めて、事業戦略・集客・業務改善をまとめて見ながら、経営者と一緒に優先順位を整理し、実行まで伴走しています。「開業の準備、何から手をつけるべきか整理したい」と感じたら、気軽にご相談ください。

よくある質問

西宮市で店舗を開業するとき、補助金の相談はどこにすればいいですか?
商店街の空き店舗への出店なら西宮市役所の商工課(電話0798-35-3387)が窓口です。県と併用する場合の県の制度や、県の起業家支援事業については、ひょうご産業活性化センターに問い合わせます。
すでに物件の賃貸借契約を結んでいても、商店街の出店補助は申請できますか?
はい、西宮市のページでは賃貸借契約を結んでいても申請できるとされています。ただし、工事の契約・支払いは交付決定のあとでなければ対象外になります。
商店街の出店補助で、家賃や什器の費用は対象になりますか?
市の制度では、賃料・什器・エアコン・高額な照明器具・消費税は対象外です。県と併用する場合、県の補助では店舗賃借料も対象経費に含まれますが、交付決定より前に賃貸借契約を結んだ場合は交付決定日以降の分だけが対象です。
フランチャイズ店でも商店街の出店補助は使えますか?
使えません。西宮市の商店街新規出店応援事業では、フランチャイズチェーン店ではないことが要件の1つになっています。
県の起業家支援事業は、今から申請できますか?
令和8年度の受付は2026年6月22日で終了しています。次の募集時期や条件は、ひょうご産業活性化センターの助成金案内ページで確認してください。

出典:西宮市「【募集中】令和8年度 商店街新規出店応援事業【商店街の空き店舗に出店】」/ひょうご産業活性化センター「商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金」/同「起業家支援事業(一般事業枠)」/同「助成金・補助金のご案内」/兵庫県 記者発表資料「令和8年度起業家支援事業の募集」(2026年4月17日)(いずれも2026年11月4日確認)

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