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クーポンの新規客がリピートしない原因は?2回目につなげる4つの手順

2026.11.07・集客・営業

文責:藤田 泰仁

クーポンの新規客がリピートしないのは、割引目当てだからというより、初回に「次に来る理由」と「連絡の手段」を残せていないことが大きな原因です。配る前に2回目までの流れを決め、初回に次の目安を伝え、同意とあわせて顧客情報を残し、来店間隔の少し前に案内を送る4つの手順で、2回目につなげましょう。

クーポンの新規客がリピートしないのは、割引目当てだからというより、初回に「次に来る理由」と「連絡の手段」を残せていないことが大きな原因です。クリエイティブジャンプが2026年4月に過去3か月以内に実店舗を利用した人へ行った調査(有効回答776件)では、初回の利用時に再来店につながる案内や仕掛けが「特になかった」人が35.8%、初回来店時に「特に何も登録・利用していない」人が58.2%でした(実店舗の来店・購入のきっかけに関する調査。クーポン客に限った数字ではありません)。

割引でお客様が動く心理は「割引が効くのはなぜ?クーポンと期間限定の心理効果を小さな店向けに解説」にまとめています。この記事はその続きとして、クーポンで来たお客様を2回目の来店につなげる実務に絞って説明します。

クーポンの新規客を2回目につなげるには?(要点)

クーポンの新規客を2回目につなげるには、割引を増やすより、来店の前後の流れを整えるのが先です。まず配る前に、初回の特典と2回目の案内を決めます。次に初回の来店時に、次に来る理由と時期を1つだけ伝えます。会計のときには、案内を送ってよいかを確かめて、連絡先と来店内容を記録します。そして、いつもの来店間隔の少し前に、相手に合う案内を送ります。メールやSMSで広告を送るなら、原則として事前の同意が必要です。効果は「初回客のうち2回目に来た人の割合」をクーポンの配布先ごとに比べて確かめます。

クーポンの新規客がリピートしない原因と、2回目につなげる手順は?

原因は大きく4つあり、手順もそれぞれに対応します。現場でよくある状態と、最初に打つ手を表にまとめます。

原因店で起きていること最初の対策
初回の値引きだけを決めている2回目は定価に戻るので高く感じられ、次に来る理由も残らない手順1:配る前に2回目までの流れを決める
来店時に次回の話をしていない満足していても、次にいつ行けばいいのか決められない手順2:次に来る理由と時期を1つ伝える
連絡先も来店の記録も残らない誰がクーポンで来て、何を頼んだのか分からない手順3:同意とあわせて最小限の情報を残す
案内を送らない、送っても割引だけ思い出すきっかけがない。または割引のときだけ来る習慣がつく手順4:来店間隔に合わせて案内を送る
現場でよくある状態を整理したものです。店の状況に合わせて、当てはまるものから見直してください。

手順は次の4段階です。

  1. クーポンを配る前に、初回の特典と2回目の案内を決める
  2. 初回の来店時に、次に来る理由と時期を1つ伝える
  3. 会計のときに、案内の同意をもらって顧客情報を残す
  4. いつもの来店間隔の少し前に、次回の案内を送る

クーポン客はそもそもリピートしないもの?

そうとは言い切れません。au PAY magazineが2023年5月に行った500人への調査では、クーポンをきっかけに新規来店した経験がある人が63%、再度利用した経験がある人が81%でした(au PAY magazineの調査記事)。これは経験の有無を聞いたもので、店ごとの再来店率ではありません。

一方、クーポン客の2回目の来店率を業種別に示した公的な統計は、調べた範囲では見つかりませんでした。「クーポン客は何割戻るのが普通か」を外の数字で決めるより、自分の店で測るほうが確かです。測り方は後の見出しで説明します。

もう1つ見ておきたいのが、店側からの働きかけの少なさです。ファンくるが2025年11〜12月に行った943人への調査では、過去にリピートしなかった店から再来店を促す施策を「受けなかった」と答えた人が、美容室で69%、整骨院で77%でした(再来店を促す「店舗施策」についての消費者調査)。お客様が離れる前に、店から手を打てる余地はまだあると考えられます。

手順1:クーポンを配る前に何を決める?

この段階のゴールは、「初回の特典」と「2回目に何を案内するか」をセットで説明できるようにすることです。値引きの大きさだけ決めて配ると、2回目の価格差が目立ってしまいます。

  • 特典は、店の良さが伝わるメニューに結びつける
  • 2回目に案内する内容を、配る前に1つ決めておく
  • クーポンの配布先ごとに印や番号を変え、どこから来たのか分かるようにする

たとえば飲食店なら、「全品20%オフ」より「看板料理の小皿つき」のほうが、次に来るときの注文を想像してもらいやすくなります。サロンなら、「初回半額」より「通常メニューに別メニューの短い体験をつける」形にすると、定価との差が開きにくくなります。2回目の案内は、「体験したメニューの通常コース」「季節の新しいコース」のように、初回の特典の続きにすると自然です。

手順2:飲食店・サロンの初回来店時に何を伝える?

この段階のゴールは、お客様が帰るときに「次はいつ、何のために来るか」を1つ思い浮かべられることです。前述のクリエイティブジャンプの調査でも、「また行こう」と思ったタイミングは「初回来店中」が21.4%、「来店直後」が21.0%で、合わせて4割を超えます。「後日、LINEやクーポンを見て」は5.3%でした(同調査)。後からの案内だけに頼らず、店にいる間の伝え方を整える意味は大きいと言えます。

  • クーポン客にも、通常のお客様と同じ接客をする
  • 定価のメニューの魅力を、押しつけずに一言で伝える
  • 次の時期と理由を、会計や見送りのときに1つだけ伝える
業種の例会計や見送りで伝える一言の例次に来る理由
飲食店(コース)「来月からコースの内容が替わります。今日のお魚がお好きなら、次は〇〇もおすすめです」メニューの入れ替わり
飲食店(ランチ・居酒屋)「今日は頼まれなかった〇〇が、うちでは一番人気なんです。次はぜひ」まだ試していない品
美容室「この長さだと、〇週間後くらいが整えやすいと思います」施術の周期
ネイルサロン「伸びてくる〇週間後くらいに、次のデザインをご相談しましょう」付け替えの時期
エステサロン「今日お話しした〇〇のコースも、次回お試しいただけます」別メニューの体験
〇の部分は自分の店の実態に合わせて入れてください。エステなどでは、効果を約束するように聞こえる言い方は避けましょう。

その場で予約を取れる店なら、候補日を2つほど示すと選びやすくなります。予約をしない方には無理に勧めず、次の手順の「案内を送ってよいか」の確認につなげましょう。

手順3:クーポン客の顧客情報は何をどう残す?

この段階のゴールは、「誰に、いつ、何を案内するか」を後から判断できる記録を残すことです。お客様が少ないうちは、紙や表計算ソフトでも始められます。

  • 会計のときに、案内を送ってよいかを聞く
  • 記録する項目を下の表の範囲に絞る
  • 何のために使う情報なのかを、用紙やフォームに書いておく
残す項目記録の例何に使うか
お名前・連絡手段山田様・LINE案内を届ける
案内の同意お知らせ可/予約の連絡のみ/不可送ってよい相手にだけ送る
初回の来店日2026/11/7案内を送る時期を決める
使ったクーポンチラシA・Instagram配布先ごとに2回目来店率を比べる
頼んだもの・次の話題カット+カラー/白身魚のコース/次回は〇〇に関心案内の内容を相手に合わせる

聞き方は、「〇〇の時期が近づいたら、LINEでお知らせしてもよろしいですか?」のように、何を、どの手段で送るのかが分かる形にします。リピーターまで見すえた台帳の項目や道具の選び方は「飲食店・整骨院・サロンのリピーターを増やす方法|顧客台帳の作り方」でくわしく解説しています。

手順4:次回の案内はいつ、どんな文面で送る?

この段階のゴールは、お客様が「そろそろかな」と思う少し前に、予約先まで分かる案内を届けることです。クリエイティブジャンプの調査で、また行こうと思ったタイミングの最多は「必要なタイミングが来て思い出した」の27.4%でした(同調査)。案内の役割は、そのタイミングで店を思い出してもらうことです。

  • リピーターの来店間隔から、案内を送る時期を決める
  • 案内の種類を「お礼」「次回の案内」「しばらく来ていない方へ」の3つに絞る
  • 文面は短くし、予約先を1つだけ載せる

新規客の案内時期はリピーターの来店間隔から決める

初回のお客様には来店間隔の記録がありません。そこで、今のリピーターを10人ほど選び、前回から次の来店までの日数を並べます。多くの人が集まる日数の少し前が、案内を送る時期の候補です。他店の目安より、自分の店の記録のほうが実態に合います。飲食店のように周期がはっきりしない業種では、メニューの入れ替わりや年末の会食など、利用の場面の前に送る形が合います。

案内の種類送る時期の考え方入れる内容
お礼来店のあと、早いうちに来店のお礼と、会計で話した次回の話題
次回の案内いつもの来店間隔の少し前次に来る理由と予約先
しばらく来ていない方へいつもの間隔を大きく過ぎた頃新しいメニューや近況。特典は決めた場面だけ
時期は考え方の整理で、調査に基づく数値ではありません。自分の店の来店間隔で調整してください。

飲食店の次回案内の文面例(LINE)

「〇〇様、先日はご来店ありがとうございました。店主の△△です。お話ししていた〇〇のコースが、今週から始まりました。お席のご予約は、このLINEに希望の日時を送っていただければ承ります。」

サロンの次回案内の文面例(メール)

「〇〇様、前回のご来店から〇週間ほどたちました。サロン△△の□□です。前回お話しした〇〇のメニューも、ご希望があれば次回ご一緒にできます。ご予約はこちらから:(予約ページのURL)/送信者:サロン△△(店舗の住所・電話番号)/今後の案内が不要な方は、こちらからお手続きください:(停止用のURLまたはメールアドレス)」

しばらく来ていない方への文面例(LINE)

「〇〇様、ご無沙汰しております。△△です。この秋から〇〇を新しく始めました。ご都合が合うときに、またお顔を見られるとうれしいです。ご予約はこのLINEからどうぞ。」

どの文面も、前回の話題を1つ入れ、割引の話から始めないのがポイントです。InstagramのDMで案内する店は、「インスタのDM自動送信・予約送信の違いは?予約につなげる設定と注意点」もあわせて確認してください。

メール・LINEで案内を送るときの配信ルールは?

広告や宣伝のメールを送るときは、原則として受信者の事前の承諾が必要です。これは特定電子メール法(広告メールの送り方を定めた法律)のルールで、本文には送信者の名前、受信拒否の連絡先、受信を拒否できることの表示も求められます(警視庁「迷惑メールに関する情報提供」、2026年11月7日確認)。携帯電話番号あてのSMSも対象です(総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、同日確認)。

取引関係にある相手など例外もありますが(総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の解説)、店で判断に迷うくらいなら、最初に同意をもらうほうが確実です。

個別の判断に迷うときは、総務省のガイドラインや個人情報保護委員会の相談窓口で確かめましょう。

クーポンの割引に頼りすぎないためには?

割引に頼りすぎないためには、2回目の案内を割引以外の理由で組み立て、値引き額は先に計算して上限を決めます。割引だけで呼び戻し続けると、お客様は「次のクーポンを待とう」と考えやすくなります。ファンくるの調査では、クーポン発行などのアプローチがあれば再来店しようと思う人が45%いました(同調査)。割引は有効な手段の1つですが、使う場面を決めて足すものと考えましょう。

  • 2回目の案内は、新しいメニュー、優先予約、前回の話題の続きから考える
  • クーポンは、しばらく来ていない方への声かけなど、使う場面を決めて出す
  • 次回クーポンを渡すなら、値引きよりも別メニューの体験を優先する

値引きの上限は、粗利(売上から材料費などを引いた儲け)で考えると決めやすくなります。仮に通常の粗利が1回4,000円のメニューで2,000円引きをすると、2回目に定価で来る人が半分いて、ようやく値引き分を取り戻す計算です(2,000円÷4,000円=50%)。チラシや掲載の費用を入れると、ハードルはさらに上がります。自分の店の数字で一度計算すると、無理のない値引き額が見えてきます。

クーポン客の2回目来店率はどう測る?

2回目来店率とは、初めて来たお客様のうち、決めた期間内に2回目も来た人の割合です。クーポンの配布先ごとに出すと、続けるクーポンとやめるクーポンを判断しやすくなります。

  1. 月ごとに、クーポンの配布先別の初回客数を数える
  2. そのうち、決めた期間内(例:いつもの来店間隔の1.5倍まで)に2回目に来た人を数える
  3. 2回目に来た人÷初回客数で割合を出す(仮の例:Instagramは20人中8人で40%、チラシは30人中6人で20%)
  4. 伝え方や案内の時期を1つだけ変えて、翌月と比べる

人数が少ない月は、数字が大きくぶれます。数か月分を合わせて見るようにしましょう。集計した数字は「小規模事業者の月次レポートはA4一枚でいい|作り方と打ち手の決め方」の形で1枚にまとめると、変化に気づきやすくなります。

よくある質問

2回目の来店にもクーポンを渡したほうがいいですか?
渡すなら、値引きより別メニューの体験や優先予約を先に考えるのがおすすめです。毎回割引が続くと、割引のときだけ来る習慣がつきやすくなります。期限を設けるなら、次に来てほしい時期に合わせましょう。
クーポン客の連絡先はどう聞けばいいですか?
会計のときに、何を、どの手段で送るのかを伝えて聞くのが基本です。たとえば「〇〇の時期が近づいたら、LINEでお知らせしてもよろしいですか?」と聞き、答えを台帳に記録します。断られたら、無理に勧めずに見送りましょう。
クーポン客の2回目来店率はどれくらいが普通ですか?
業種別の公的な統計は、調べた範囲では見つかりませんでした。他店の数字と比べるより、自分の店でクーポンの配布先ごとに割合を出し、手順を変えた前後で比べるのが確かです。
来店したお客様にメールで案内を送るのに同意は必要ですか?
同意をもらっておくのが確実です。特定電子メール法では、広告や宣伝のメールには原則として事前の承諾が必要で、例外の範囲は個別の判断になります。来店時に聞いて記録し、本文には店名と受信を止める方法を入れましょう。

まとめ:クーポンで来たお客様を2回目につなげるには

クーポンの新規客を2回目につなげるには、割引を増やすより、配る前の設計、初回の一言、顧客情報の記録、時期を合わせた案内の4つを順に整えることが大切です。全部を一度に変えなくても、まず次の来店客に次回の目安を1つ伝えるところから始められます。

ただ、記録をつけて文面を考え、時期を見て送る作業を営業しながら続けるのは、なかなか大変です。AIに任せやすい作業の選び方は「小さな会社が最初にAIに任せたい事務作業5つ|任せる前に決めること」で整理しています。当社の「ディープラ」は、AIチャットでの文面の下書きやOCR(紙の文字をデータにする機能)、SNS投稿の作成、レポートなどを1か所で使える、小規模事業者向けのツールです。無料のまま使い続けられる範囲もあります(データの保管期間などに制限があります)。案内づくりの手間を減らしたいと感じたら、今の作業のどこが置き換えられそうか、触って確かめてみてください。お客様の情報を入力する前には、扱いのルールもあわせて確認しましょう。

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