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持続化補助金の書き方で迷う前に|対象になる経費と公募要領の確かめ方

2026.11.03

文責:藤田 泰仁

持続化補助金の書き方は、計画書の文章より先に「最新の公募要領を手元に置く」「使いたい経費が対象の費目に入るか確かめる」「申請から報告までの日程と立て替えの資金を見通す」の3つから始めるのが近道です。経営計画書は、自社の強み・お客様・販路開拓の中身を1本の筋でつなげ、売上の見込みには根拠を添えます。条件は公募の回ごとに変わるので、申請する回の要領で必ず確かめてください。

持続化補助金の書き方は「公募要領・対象経費・日程」の確認から始める

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が自ら作った経営計画にもとづく販路開拓などの取り組みを支援する国の補助金です。2026年11月時点の最新回は<一般型・通常枠>第20回で、補助上限は50万円、補助率は2/3です(特例で上限の上乗せあり)。申請受付は2026年11月5日から12月15日17時まで、地域の商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」の受付締切は12月4日です。計画書を書き始める前に、①申請する回の公募要領を手元に置く、②使いたい経費が対象の費目に入るか確かめる、③交付決定から報告・入金までの日程を見通す、の3つを済ませておくと、書き直しや対象外の出費を防げます。

合同会社well coの藤田です。「チラシやホームページを作りたいので持続化補助金を使いたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」という声をよく聞きます。いきなり計画書の文章を考え始める方も多いのですが、実は先に確かめておくことがいくつかあります。この記事では、販路開拓に補助金を使いたい小規模事業者の方に向けて、対象になる経費、公募要領の確かめ方、申請から採択後の報告までの流れ、経営計画書で書くことを、事務局の資料をもとに整理します。

なお、持続化補助金の条件は公募の回によって変わります。この記事は第20回(公募要領 第8版)の時点の情報です。申請するときは、必ずその回の最新の公募要領で確かめてください。

持続化補助金とは?第20回の概要を表で確認

持続化補助金は、中小企業庁のミラサポplusの案内によると、小規模事業者の生産性向上と持続的な発展を目的に、自ら作った経営計画にもとづく販路開拓などの取り組みを支援する制度です。販路開拓とは、新しいお客様や新しい売り先を広げる取り組みのことです。第20回の主な条件は次のとおりです。

項目第20回<一般型・通常枠>の内容
補助上限50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方で+200万円)
補助率2/3(賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は3/4)
申請受付2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00
様式4(事業支援計画書)の発行受付締切2026年12月4日(金)
申請方法電子申請のみ。GビズIDのアカウントが必要
公募要領第8版(2026年7月21日改版)。以前の版での申請はできない

日程と公募要領の版は商工会議所地区の補助金事務局、上限額・補助率・申請方法は邑楽町商工会による第20回の公募案内にもとづいています。インボイス特例・賃金引上げ特例は、それぞれ要件を満たした場合だけ上乗せされます。要件の細かい中身は公募要領で確かめてください。

対象になる「小規模事業者」とは?

対象は、常時使用する従業員が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で5人以下、宿泊業・娯楽業、製造業その他で20人以下の事業者が基本です。数え方には注意が必要です。第19回のよくある質問では、パートタイムの従業員も常時使用する従業員に含まれ、派遣の方は含まれないとされています。また、補助事業が終わるまで小規模事業者の条件を満たし続ける必要があります。人を増やす予定がある場合は、早めに要領で確かめておきましょう。

持続化補助金の対象になる経費は?8つの費目を確認

対象になる経費は、販路開拓などの取り組みに直接必要なものに限られ、決められた費目に当てはまる必要があります。第20回の費目は次の8つです(補助金ポータルの第20回解説をもとに整理。正式な定義は公募要領で確認してください)。

費目主な中身の例
機械装置等費販路開拓に必要な機械・設備の購入。単なる取り替えは対象外
広報費チラシ、ポスター、看板、インターネット広告など
ウェブサイト関連費ホームページ、ECサイト、システムなどの開発・構築・更新
展示会等出展費展示会・商談会への出展料など(オンライン開催を含む)
旅費販路開拓のための出張の交通費・宿泊費など
新商品開発費試作品やパッケージの開発にかかる原材料・デザイン費など
借料補助事業に直接必要な機器・設備のリース料・レンタル料
委託・外注費自社では難しい業務の委託・外注(店舗の改装工事など)

広報費・ウェブサイト関連費は回によってルールが変わる

チラシやホームページは使いたい方が多い費目ですが、上限や申請のしかたに決まりがあり、回ごとに見直されてきました。たとえば第19回のよくある質問では、ウェブサイト関連費は補助金額の1/4まで(最大50万円)で、ウェブサイト関連費だけでの申請はできないとされていました。第20回では、広報費・ウェブサイト関連費の上限額や申請の制限が変更されたと川崎中小企業診断士会の解説が紹介しています。前の回の情報のまま計画を立てないよう、金額は申請する回の要領で確かめてください。

対象にならない経費の例は?

第19回のよくある質問では、次のようなものが対象外の例として挙げられています。迷うものは、事前に事務局へ問い合わせるよう案内されています。

  • 今の事務所の家賃(新しい販路開拓のために新たに借りる場合などを除く)
  • パート・アルバイトの人件費、派遣の費用、通勤の交通費
  • 自動車・バイク・自転車
  • インボイス対応以外のコンサルティング費用
  • 「一式」「等」としか書かれておらず、中身が分からない経費

もう一つ大事なのが時期です。採択後の手続きの案内では、交付決定の日より前に発注・購入・契約したものは補助の対象外で、交付決定前に事業を始めた場合は補助金を受け取れないと明記されています。採択の発表があっても、交付決定まではまだ発注しないでください。

公募要領はどう確かめる?迷わないための4つの手順

公募要領は、補助金のルールがすべて書かれた説明書です。40ページ以上ある長い資料なので、次の順番で見ると迷いにくくなります。

  • 1. 自分の地域が「商工会地区」か「商工会議所地区」かを確かめる。事務局と窓口が分かれており、ミラサポplusの案内から商工会の検索サイトで確認できる
  • 2. 該当する事務局のサイトで、申請する回と公募要領の版を確かめる(第20回は第8版)
  • 3. 「新旧対照表」や「よくあるご質問」で、前の回から変わった点を先に読む
  • 4. 対象者・対象経費・事業の要件・提出書類・日程の章に、自分の計画を当てはめて確かめる

商工会地区の事務局は商工会地区 小規模事業者持続化補助金の公式サイト、商工会議所地区は商工会議所地区 補助金事務局のサイトです。ネットの解説記事は便利ですが、前の回の内容のまま残っているものもあります。最後は必ず事務局が公開している要領で確かめましょう。

申請から入金までの流れは?

持続化補助金は、使ったお金があとから戻ってくる「後払い」です。商工会議所地区の応募案内などをもとに、流れを整理すると次のとおりです。

段階やること気をつけること
1. 準備GビズIDを取る。公募要領を読み、計画書を作るGビズIDは発行まで最大1か月ほどかかることがある
2. 様式4の発行依頼地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する第20回の受付締切は12月4日。締切後は発行されない
3. 電子申請電子申請システムで計画書と添付書類を出す添付漏れや不備があると審査されない
4. 採択・交付決定採択後に見積書を出し、交付決定を受ける交付決定より前の発注・契約は対象外
5. 補助事業の実施計画どおりに発注・支払いをする費用はいったん全額を立て替える
6. 実績報告・入金領収書などの証拠書類をそろえて報告し、確定後に入金報告の審査に3〜4週間、不備が重なると確定まで3か月ほどかかることも
7. 事業効果の報告事業が終わってから一定期間後に、売上などの状況を報告する報告を出していないと、次の申請ができない場合がある

GビズIDの発行期間は邑楽町商工会の公募案内、実績報告の審査期間は商工会地区の公式サイトの案内にもとづいています。補助金が入るのは事業が終わって報告を済ませたあとなので、その間の資金繰りを先に考えておく必要があります。立て替えの考え方は、創業融資と補助金の違いと使い分け方で詳しく解説しています。

経営計画書には何を書く?自社の強み・お客様・販路開拓の中身をつなげる

経営計画書は、「自社がどんな会社で、誰に、何を強みに、どう売り先を広げるのか」を1本の筋で説明する書類です。経営計画書(様式2)は、主に次の4つの項目で組み立てます。

項目書くことの例
企業概要事業の内容、立地、従業員数、売上・利益の推移
顧客ニーズと市場の動向主なお客様はどんな人か、その人たちの困りごとや変化、競合の状況
自社や商品・サービスの強みお客様に選ばれている理由、他社と比べて優れている点
経営方針・目標と今後のプランこれから目指す方向と数値の目標、そのために取り組むこと

そのうえで、補助事業計画として「販路開拓の取り組みの中身」「必要な経費」「取り組みによる効果」を書きます。第19回のよくある質問では、経営計画と補助事業計画(経費の表などを除く)の分量は8,000字程度が目安とされていました。

書き方で迷ったときの3つのコツ

  • お客様から書き始める:「誰の、どんな困りごとに応えるのか」を先に決めると、強みと取り組みがつながりやすい
  • 強みは具体的に書く:「丁寧な接客」ではなく、お客様の声やリピートの状況など、裏づけになる事実を添える
  • 取り組みと経費を1対1でつなげる:「この取り組みのために、この経費が必要」と読めるようにする

現場でよくあるのが、「ホームページを新しくしたい」といった使いたい経費から書き始めてしまうケースです。そうすると、お客様や強みの話と取り組みがつながらず、読み手に「なぜその取り組みなのか」が伝わりにくくなります。補助金は事業の計画を実現するための手段の一つ、という順番で考えると書きやすくなります。計画づくりの基本は、創業計画書の書き方の記事も参考になります。

第20回で加わった「売上の見込み」の要件

川崎中小企業診断士会の解説によると、第20回からは、事業効果の報告をする時点の売上高・売上総利益(粗利)が、補助事業が終わった時点より増える見込みであることが要件に加わりました。補助事業計画には、売上などの見込みを数字で示し、その根拠を書く必要があるとされています。日ごろから月ごとの売上や客数を記録しておくと、根拠を示しやすくなります。数字のまとめ方は月次レポートをA4一枚で作る方法で紹介しています。

採択されたあとに必要な報告は?

採択はゴールではなく、実際に補助金を受け取るまでの手続きの始まりです。採択後は、見積書を出して交付決定を受け、計画どおりに事業を行い、領収書などの証拠書類をそろえて実績報告をします。事務局の確認を経て金額が決まってから、ようやく入金されます。

さらに、事業が終わってから一定期間後には、事業の効果や賃金の状況を報告します。第19回のよくある質問では、過去に採択された事業者がこの報告(様式第14)を出していない場合、原則として次の申請はできないとされています。賃金引上げ特例を使った場合は、要件を達成できないと補助金が支払われないこともあります。申請の段階から、報告まで続けられる計画かどうかを確かめておきましょう。

まとめ

持続化補助金の書き方で迷ったら、まず最新の公募要領を手元に置き、使いたい経費が8つの費目に当てはまるか、交付決定から報告・入金までの日程と立て替えの資金を見通せるかを確かめましょう。経営計画書は、お客様・自社の強み・販路開拓の中身を1本の筋でつなげ、売上の見込みには根拠を添えます。第20回の申請締切は2026年12月15日、様式4の発行受付締切は12月4日です。条件は回ごとに変わるので、必ず申請する回の要領で確かめてください。

一方で、「どの販路開拓から手をつけるか」「補助金を使う取り組みと、使わない取り組みをどう分けるか」は、事業全体の計画とセットで考える必要があり、要領を読むだけでは決めきれない部分です。当社の事業戦略顧問では、補助金の相談も含めて、事業戦略・集客・業務改善をまとめて見ながら、経営者と一緒に優先順位を整理し、実行まで伴走しています。「計画の筋道を一度整理したい」と感じた方は、気軽にご相談ください。

よくある質問

持続化補助金はチラシやホームページだけでも申請できますか?
第19回では、ウェブサイト関連費だけでの申請はできないとされていました。第20回でも広報費・ウェブサイト関連費の上限や申請の制限が見直されたと解説されています。ほかの費目とどう組み合わせる必要があるかは、申請する回の公募要領で確かめてください。
採択されたら、すぐに発注してもいいですか?
いいえ。採択のあとに見積書を出して交付決定を受ける必要があり、交付決定日より前の発注・購入・契約は補助の対象外です。採択の発表日は事業開始日にはなりません。
商工会や商工会議所の会員でなくても申請できますか?
第19回のよくある質問では、会員・非会員を問わず受け付けるとされています。ただし、地域の商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必須なので、締切に余裕をもって相談しましょう。
パートやアルバイトも従業員数に数えますか?
第19回のよくある質問では、パートタイムの従業員も常時使用する従業員に含まれ、派遣の方は含まれないとされています。補助事業が終わるまで小規模事業者の条件を満たし続ける必要がある点にも注意してください。

出典:中小企業庁 ミラサポplus「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第19回)の公募要領を公開しました」/商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>/同「応募する」/同「採択後の手続き」/同「第19回 よくあるご質問」/商工会地区 小規模事業者持続化補助金 公式サイト/邑楽町商工会「小規模事業者持続化補助金<一般型>第20回 公募申請のご案内」/川崎中小企業診断士会「第20回公募の第19回公募からの主な変更点」/補助金ポータル「小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回」

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